2013/12/21

冬至前

最近、恐ろしく寒い。
雪や雹も降るほどらしく家にはいっても、まだ寒い。
手を洗う水がぬるく感じられたのには驚いた。

部屋で一枚羽織ってもまだ足りず

貧者は安酒を以て衣と為す

ということで二枚目を羽織る代わりに安酒を燗にした。
お銚子とお猪口の趣はなく、湯のみで飲んだが、おいしく暖まれた。


今では、お酒を電子レンジで簡単に温められるが、
昔は少し時間がかかったのかもしれない。

昔、酒好きの男が 夢の中で酒を手に入れ、
せっかくだからと、燗にして飲もうとする。
酒も温まり、いよいよ口をつけようという時、
夢が覚めてしまう。
起きて一言「しまった。冷やにしとくんだった」

という小咄を聞いたことがある。


また、こういう温め方もある。

寒い日、男が帰宅した。
「今夜は熱燗がいい」と言ったところ、
「準備するから先に風呂に入っておいで」と奥さんが答える。
しかし、風呂あがりに出されたのは、冷やのお酒。
「おい、これ冷やだよ」と尋ねたら、
「飲めば、あったまった腹ん中で燗になる」と奥さん。

これは、知り合いのおじさんの話。


最近寒いのは当たり前で、 2013年12月22日には冬至を迎える。

かぼちゃ料理は男一人では手に余るので、
柚子をお湯に入れるだけの柚子湯につかりたい。
柚子湯は血行を促し体を温め、風邪の予防にいいようで、
江戸時代からの知恵である。
また、柚子は実るまでに長い年月がかかるので、
「苦労が実りますように」との願いもあるとのこと。
一陽来復。日の照る時の回復に合わせ、新たな希望が込められている。

ならば、自分は何の実りを願うか。
宝くじの当選、新たなスキルの習得、人生航路の順風など。
考え出せばきりがないが
その中で思ったことがある。
そもそも自分は何かを実らせるほどの苦労をしているのだろうか。

柚子湯の中で、あらためて自分に問いたい。

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